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「ときどきトランス日記No.15 / PlanetBamboo のツアー.ファイナルから今日まであったこと」

アコースティック楽器の音を大勢の人に伝えるのって本当に難しい。
アコースティック楽器の音はマイクで拾ってアンプで増幅しなければ大勢の人まで届かない。
けれど、、
そうせずにそのままの音が一番良い音。一番すきな音なんだ。
スピーカーからではなくて、楽器からの直接の空気の振動を聴く。

アコースティック楽器を試しているときに、わざわざマイクで拾ってスピーカーからの音聴く人はいないと思う。
手にとって、鳴らして、好きになって、、そして欲しくなる。いつでもその時の音と一緒にいたいと思う。
人前で演奏するひとは、ライブでもその音を聴いて貰いたい、きっと。

ぼくがそういうテクニックや知識に未熟なせいもある、貧弱な自分の機材のせいもきっとある。
今回のツアーはそういうことで本当に苦労してしまった。ステージ毎につきまとう悩みに磨り減ることも多かった日々だった。
けれど、そういう解決方法ではないものがきっとあるんだな、と気付かされる日々でもあった。
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つまりはライブをやる限りは、たいていの場合、マイクで拾ってアンプで増幅〜はまぬがれぬこと。そこで問われるのは演奏者の音に対する姿勢、というようなことなんだと思う。
抽象的だし、とても上手くは言えないんだけれど。自分なりに解決してゆかないといけないこと。

ともあれPlanetBamboo +Bunの夏のツアー「NatureTranceDays」は7月29日に東京、荻窪でファイナルを迎えました。
その日から今日まで、色んなことがあった。
だからそれをここに記していこうと思います。

*2006年7月29日(土)荻窪「MuseumTokyo」

ツアーの集大成、、なんてつまらない言い方。
初日の福岡「イビサルテ」と較べたら格段の音の熟れかた、、そのぶん温度は低いけれど落ち着いてリラックスした演奏、、各々がツアー中の駄目だったポイントポイントに気を配って丁寧な印象の、、
あぁ、どれもつまらない、つまらない。
そうではないんだ、そういうことを言いたいのではなくて、、

あ、ちょっと苦労しているな、でもこれを書き上げなくては先には進めない。

なにかおおきな課題を背負ってしまった。
ぼくは色々な楽器を使う、それで一体なにを伝えているんだろう?なにを伝えようとして苦労して音を出してるんだろう?
いや、その前に、、
ひとつひとつの楽器の音を、聴いてくれているひとに確実に伝えたい。

*2006年8月2日〜4日 静岡県本川根町青部

こどもたちの顔が迫ってくる、そしてぼくを囲んでくる。
カリンバや口琴は音の小さい楽器だから、できるだけ近くで聴こうとして押し合いへし合いしてる。触れあうほど近くにかれらのあたまがある。
息子も含めたこどもだけでも60人くらいのサマーキャンプに父兄として参加した。
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宿舎は廃校なった古い古い小学校。目の前の駅はSLの通う路線、迫る山の景色。裏は大井川のひろびろした河原。
ハーメルンの笛吹き男よろしく、長い散歩やら、川遊び、目の眩むような高さの吊り橋を渡る時でさえカリンバや口琴を鳴らしながら歩いた。
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音が好きな子たちは奪い合うように楽器に触りたがる、壊れやすいものが多いのでひやひやしながらも、そういうこどもたちとじぶんとの関係性から何かに気付きそうな感じがあった。
なんと言うか、自分に欠けていたものがそこにあるというような。
でもそれは抱え込んだ悩みの答ではない、と思う。けれど、いまのじぶんの悩みと寄り添っていかねばならぬもの。
そうすればいつか答が育つのかも知れない。

答を育てるだって?

7月29日 荻窪「MuseumTokyo」/ マンドリーナの1、2弦のゲージの選択を誤った、、と気付いたのは本番中のステージの上。冷や汗が流れる。僅か0.2mmの違いがこれほどひびくとは、、
フレット上で弦にかかるテンションでも音程が変わってしまう。
マンドリーナもギターもオリジナルのチューニングにしつらえてある、PBやBunの楽器に合うようにと、ごく自然に出来上がったチューニング。
けれど、通常のテンションよりもだいぶ高いので楽器や弦にかかる無理も大きい。
だからそれに耐えうる弦を探さねばならないのに、いまだにぴったりのものが見つからない。ひどいときは新品の弦に替えてる最中に切れてしまったりもする。
音を確実に伝える、、それ以前のところでぼくはまだうろうろしている。

*2006年8月5日(土)津久井「やまゆり園」

知的障害のひとたちのための施設。
津久井湖の湖畔。
ぼくの古くからの友人の勤めているところで、今晩はここの夏祭り。
おおきな施設で庭もすごく広い。
その庭の、盆踊りの櫓のうえで20分ばかりのソロ演奏。
そしてやはり件の悩みに取込まれてしまう、、
昨日まで、青部ではあんなにも音が伝わっていたのに、、と思う。
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リハーサルでは綺麗に音が出ていたのに、本番では何が起こるかわからない、それがライブ。
出音の一部は割れてしまっているし、リハでは気付かなかった、建物やら周りを囲んでいる山の反響音が0.5秒くらい遅れて返ってくる。
モニタがなかったのでその反響音が辛かった、うまく演奏できたのかどうかは自分では判断がつかなかった。

ところでここは子供も若者の入所者もいない、お年寄りの障害者ばかりの施設、、
先のサマーキャンプにもそういう子はいた、あの子たちのこれからの長い人生を思った。ぼくがたったの三日間しか触れあわなかったこども。
こどもはね、たとえどんな子であれ、明るい明るい存在なのだと、そう思った。
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模擬店の焼そばと缶ビールで最後の盛大な打ち上げ花火を独りぼっちで見上げた。
夏休みはこれでお終い、そういう寂しい気持ちを久し振りに噛みしめた。いつの間にか隣にいた浴衣姿の友人がありがたかった。

8月2日〜4日 静岡県本川根町青部 / カリンバの音は「綺麗な音」みんなが口々に言う。ぼくもそう思うから嬉しい。口琴の音は「面白い音」「ぶくぶく沼のお化けの声」「飛行機の音」「ばねの音」こんなのも嬉しい。
蛙の声や風の音の小物楽器たち、竹の口琴、貸してあげた子供たちはわざと乱暴にあつかったわけではなくて、でも夢中になって鳴らしているうちに、いくつかは毀れてしまった。カリンバの弦もあちこちにずれてしまっている。
大変。
それでもね、あの子たちとぼくの間から学んだことだっておおきいからね、おあいこだ。
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ぼくは伝えたい音を彼らに伝えた。ねぇ、音楽っていいよね、と。そしたら彼らも、うん、音楽(音)っていいよね、と返してくれた。実際の会話ではないけれど、そうだった。そのときぼくらの間に流れたものはそういうものだった。
とても近い距離で、あたまとあたまが触れあうくらい近くで。

7月29日 荻窪「MuseumTokyo」/ この会場は豊かだ、色んなものが。高い天井や壁の質感、木の床、ライブラリー、すべてがゆったりとしつらえてあって、それらが独特の空気感を醸し出してる。
sakoは今回、いちばんのびのびと踊れたんじゃないかな。

今回のツアー、どの会場だってぼくらの音楽からたくさんのものがオーディエンスに伝わったんだと思う。ただ、そのことにすぐに感応する感覚がぼくには欠けていたんだ、演奏しながらその場所でそれに感応するということが自分には欠けているのだ。そう思った。
しっかりと「伝える」「伝わった」という感覚を持ちながら、いや、感じながらだね、音を紡いでゆこう。そうしなければ。

ぼくは青部で出したのとおんなじ音を出してゆきたい。どんなカタチの演奏であれ、マイクとアンプであろうとも。
それがぼくの伝えたいことになってゆくのだと思う。
自分はいったい音で何を伝えたいのか?、、それを言葉に置き換えることはまだまだ出来そうにない。
どんな言葉、言い回しもぴったりこない。建て前や無意識の嘘が混じるかも知れない。
それはこれから先、ずうっと出来ないのかも知れない。
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おとながこどもとおんなじ感覚で音に触れることはもう出来ないと思う。
でもね、あんなに嬉しそうに音に触れられた頃が誰にでもあったのだろうと思う。
そう出来たひともいるし、そのチャンスに恵まれなかったひともいる。でも「その頃」はきっと誰にもあった。
おとなはね、それを思い出すことしか出来ない。

8月2日〜4日 静岡県本川根町青部 / 最後の夜はキャンプファイア−。火を半円に囲んでリズムワークショップをやった。
60人を五つのグループに分けて、手拍子と動物の名前を声に出してを五種類のリズムにして、段々それを重ねてゆく。ポリ.リズム。
これはじぶんのやっているパートと、他のグループのやっていることとの関係性に気付くとすごく面白い。そしてできるだけおおきな声をだす。
最初はどうなることかと思ったけれど、ぼくも夢中でやらせていたからね、気付いたらみんなのリズムがおおきなうねりになっていた。
これってやっぱり感動してしまう。
「つむぎ(息子)のお父さんってすごい」こどもたちが言ってくれる。こんなに嬉しい言葉はない。

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そうしてぼくは自分の音楽やその姿勢におおきく欠けていたものを見つけた。

8月8日、、いまのところ、次の予定は何も入っていない。
自分が音で伝えようとしているものが少しだけ見えた気がした夏でした。
これからきっともっと暑くなる。
だからそれが夏の水蒸気になって消えてしまわぬように、しっかり掴まえていようと思う。

*今回の写真はすべて青部のものです。デジカメが壊れてしまってから新しいのを買っていないので、お借りしたカメラで久し振りに撮ったものです。

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Comments

ライブレポ!ありがとうございます。
いやはや、終わってしまって、寂しいですね。。。
とっても、楽しかった!なか・・いろんな反省点もありましたよ。
でもでも、やはり、夢って思ってた
michiroさんの音・BUNちゃんの音・アリフの音この素晴しいミュージシャンの奏でた音で
踊るという現実があったことが
とっても嬉しいし、次の為にまだまだ、創作し続けようと思いますよ。
ミチローさんの指に風を起させれるように(笑)
しかし・しかし、うちらがこうやってツアーできたのも、周りで協力してくれた方々
思いっきり力をかしてくれた方々
ライブにきてくれた方々のおがけですね。
ありがとうございました。
ミチローさん、ツアーもキャンプライブも
お疲れ様でしたぁ。ではまた!

Posted by: sako | August 09, 2006 at 10:53 PM

Sakoちゃん。
コメントありがと。
そうだね、次。
今回のツアー、やはり最初は参加するかどうかの迷いが凄くあって。でも、何かで読んだ一節でこころを決めた。
曰く「夢を諦めてしまえば、その夢はあなたを一生苦しめる」
まさにそう!
ツアーを放棄していたら、今頃ぼくは夏の暑さに喘ぎながら、そのことで苦しんでいたと思う。
得るものの大きいツアーだったし、PBのメンバーでなければ出来なかった経験。このことがきっと大事。

Posted by: michiro-U. | August 10, 2006 at 09:21 AM

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